現地観光局員によるペルー・イカ観光のすすめ

2019年から青年海外協力隊員として、Ica州政府観光局で働いています。観光局員の目線から、ペルーの魅力について発信中!

日本ピスコ協会との連載企画が発足!#1(ピスコとは?)

お久しぶりです。実は今月から、一般社団法人日本ピスコ協会の方々にご協力頂き、青年海外協力隊×日本ピスコ協会の連載企画を始めることになりました!というわけで、今回は1)連載企画の背景、2)ピスコについて、3)初めてイカのピスコに出会った時、について書きたいと思います。

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 コラボレーション企画の背景とは? 

遡ること約9ヶ月前。イカに赴任し、右も左も分からない全くの手探りの状態で、調査(統計、視察、ヒアリング等)を始めました。そこで少しずつ見えてきたのが、イカ観光業界の抱える課題。その一部がこちらです。

 

イカ観光業界の課題

  • ナスカの地上絵などはあるが、国際的な知名度が低い
  • ワイナリーツアーの強化をしたい
  • ピスコやワインの産地として日本人に浸透していない

南米で最も古いブドウ畑を持つワイナリーがあり、国内でもトップクラスの品質を誇るイカのワインと地酒ピスコ。州としてもワイナリーツアーを強化したいのに、国際的にあまり知られていないのは、とても残念です。どうしたものかと考えていたところ、一般社団法人日本ピスコ協会の存在を知り、声をかけさせてもらいました。そして、担当者の方とやりとりを行う中で、日本のピスコ業界の現状を知りました。

 

日本のピスコ業界の課題

  • そもそもピスコの知名度が日本では低い
  • 正しい知識を持った人がほとんどいない
  • ピスコやボデガ(醸造所)に関する最新情報を得る機会が少ない
  • 日本に輸入されるピスコの多くはチリ産でペルー産が少ない

そこで、この観光ブログを通して1)少しでも多く現地のピスコや醸造所に関する最新情報を共有すること2)ピスコの知識を日本語で発信するこ3)私の任期終了後もアーカイブとして情報がオンラインに残ることを目的に、連載企画の提案をさせてもらいました。今後はイカ観光の他、ピスコやワイナリーについても定期的に発信していくので、どうぞお楽しみに!

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 ピスコとは?

そもそもピスコとはなんぞや?と疑問に思ったあなた。ピスコとは、アルコール度数が約40%のブドウを原料とした蒸留酒です。色は透明で、ストレートで飲むとブドウの香りが広がります。特にピスコ・サワーはペルーの国民的カクテルです。生産地はリマイカモケグアアレキパタクナ5カ所のみで、国をあげてその価値を守ろうという原産地呼称制度の一つにも登録されているため、ペルーではこの5ヶ所以外で作ったものを「ピスコ」と呼ぶことは認められていません。

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初めてイカのピスコに出会った時

イカのピスコに初めて出会ったのは、まだスペイン語がおぼつかない赴任後4日目。当時、カウンターパート(配属先のパートナー)は産休に入っていたので、代理の男性職員が色々と助けてくれました。冗談ばかり言っていたので、敬意を込めて名づけたあだ名は、ペルーの明石さんまそして本当に似てる)。彼に土曜日は空けておくようにと言われたものの、何度聞いても一体何をしに行くのかが分からない。ようやくわかった事は、「どうやらピスコの試飲会があるらしい」ということでした。

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ピスコの産地でのピスコデビューが自分の予想よりだいぶ早かったものの、面白そうだと快諾。「絶対に来るんだよ!」と何度も念を押されたため、若干不思議に思いましたが、なんとか会場へ。そこで目に入ったのは、「審査員」の文字。全く知らずに参加したわけですが、ようやくこのイベントが「世界一で一番多くピスコの試飲をする」というギネス記録への挑戦だと知ったのでした。参加者は主に、州政府関連の機関で働いている職員やその家族、友人など。何度も来るように念を押したのは、そういうことだったのか!

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というわけで、全く予想していなかった形でギネス記録に挑戦することとなったのですが、試飲大会中は、3種類(品種:イタリア・ケブランタ・トロンテ)のピスコプーロ(単一種のブドウからできるピスコ)をストレートで試飲しました。

初めて嗅いだときは「なんだかアルコール度数が高そうなお酒・・・」というど素人の感想しか言えませんでしたが、一杯目のイタリアから試してみることに。喉がじわっと熱くなった後、口の中にふわっと残ったのは、豊かなブドウの香り。とてもフルーティーで美味しい!二杯目のケブランタは対照的に、スッキリとした味わいで辛口という印象。三杯目のトロンテルは、フローラルな香りに柑橘系のフレーバーが加わり、ほんのりと甘さが残るような味わいが魅力。個人的には、芳香な香りを楽しめたイタリアが一番好みでした。

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全ての試飲が終了し、発表された最終的な参加者は899人ということでギネス記録は無事達成!後半はもはや、人数確認のために途中退出ができず3時間トイレを我慢しなければいけなかったことしか覚えていないのですが、その後は地元のダンスや州知事の挨拶、シンガーによるライブなど、大盛況で幕を閉じました。というわけで、イカでの初めてのピスコ体験は、勘違いと混乱とサプライズに包まれた、忘れがたい思い出となったのでした。

 

当日の様子(動画)はこちら  

photos: https://pisco.net.pe/